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Closet

Closet

mueさんは、okyonと組んだユニット"musey"の名義でこれまで3枚のアルバムを出してきた。ただ、ライブの大半はmueの単独で行うことが多いので、"musey"のアルバムを気に入った私は"mue"のライブに出かけていくことになる。(若干ややこしい)   さて、今回初めて"mue"の名義で作ったアルバム"closet"が出て、その発売記念ライブが渋谷の7th floorというところで行われた。場所は円山町のいわゆるラブホテル街のなかのビルであるが、よく注意して歩くとここは単なるラブホテル街ではなく、劇場や映画館(ユーロスペース)やライブハウスとラブホテルが交互に並ぶ何とも文化と愛の香りが漂う町なのであった。   さて"closet"であるが、"musey"名義のアルバムも全曲mueさんの作品なので、私にはやはり第4作と思えてしまう。さて、その4作を並べてみると、敢えて分類すればブラジル音楽系/フォーク・ロック系が交互になっていて、"closet"は後者の系統に属する。   1曲目の"Logue"ではmueさんはピアノの他、なんとオーボエまで吹いている。2曲目の"Like a wheel"は全編英語で作詞されている。リズムはブラジルのforroみたいで、Joyceの「友と再び」の冒頭の曲"Outras Mulheres"を思い起こさせる。3曲目の「気の向くままへ」は二本のギターとエレキピアノがなんとも快感な一曲。4曲目"Cage"はブラジルのFagnerなんかを思い起こさせる。病室から外を眺めている患者さんの言葉が機縁になって誕生した曲とのこと。5曲目の"Knock my shell"は斬新なコードが印象的。6曲目の"ガラスの扉"は珍しくカントリー調である。7曲目の「音楽がやってきた」はなんともすてきなワルツである。8曲目の「おやすみ」はタイトル通り眠りそうな一曲。   改めてmueの才能を実感させる一作である。  

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